今回は、記憶と広告を関連付けたスリーヒットセオリーという広告理論をご紹介します。
記憶には2種類のタイプがある
人間は五感を通じて得た情報を、一時的に記憶するものと長期的に記憶するものとに振り分けています。
そして、長期的に記憶するものには主に2種類のタイプがあると言われています。
“顕在記憶”には経験から得られた5W1Hで表せるエピソード記憶と、事実情報で得た知識からなる意味記憶の2種類があります。
一方で、“潜在記憶”は技術的な記憶がメインで、スポーツや乗り物の運転といった体で覚えた情報などが該当します。
勉強は予習復習、スポーツは反復練習が効果的とよくいわれますが、特に勉強などが該当する意味記憶の場合、初めに得た記憶への刺激を反復することでより記憶の精度が上がるといわれています。
今回ご紹介する〈スリーヒットセオリー(3ヒット理論) 〉はその反復することに着目した広告理論です。
スリーヒットセオリーとは?
広告の場合、「初売りセール」や「新商品発売」といった見出しは広告の内容という事実情報として認識されます。
広告が最大限の効果を発揮するためには一定回数以上の接触機会が必要とされ、その回数は“3回”といわれています。
その広告接触回数を示す理論が〈スリーヒットセオリー 〉です。
スリーヒットセオリーはテレビCMにおける有効な接触頻度に関する理論であり、広告の費用対効果を考える際に重要視されます。
そして接触回数に応じて以下のような反応があると考えられています。
1回目の接触→「見覚えのない新しい広告だ。」(注意を引く)
2回目の接触→「この間も見た広告だ。何についての広告だろう。」(興味を持つ)
3回目の接触→「あの広告だ。詳しく調べてみよう。」(思い出し、行動する)
もちろん、人によって反応の差はありますが、3回の接触機会で1回目との印象が大きく変わることがわかります。
1回目の広告で結果を得られず「失敗だった」と断定してしまうのは段階的に早く、2回目、3回目と続けることで初めてその広告の費用対効果を考えることができるという理論です。
DMを続けて送るスリーヒットセオリー活用方法
元々テレビCMにおける理論として提唱されたスリーヒットセオリーですが、テレビCMに限らずさまざまな広告媒体でも同様の効果が期待できます。
その1つにガリバーが得意とするダイレクトメールがあります。
ダイレクトメールでスリーヒットセオリーを応用する場合、1通目に変わった仕様、例えばエンボス加工など印象に残りやすいダイレクトメールを打ち、2通目と3通目で2つ折りの圧着タイプやはがきといった1通あたりの単価が低めのダイレクトメールを打つといったケースがあります。
1通目に印象的なダイレクトメールを送ることで、ダイレクトメールが届いたという事実を受け取る方に伝え、2通目のダイレクトメールで1通目へ興味を向けるきっかけを作り、3通目のダイレクトメールで期限間近などの文言を用いて行動を促すといった流れがダイレクトメールにおけるスリーヒットセオリーの活用法の一例です。
またメディアミックスやクロスメディアのような複数媒体を用いた広告展開でも同様の効果が期待できます。
例えば、テレビCMで1度目の接触機会を設け、ダイレクトメールで2度目、ダイレクトメール内にQRコードを入れてWEBへの誘導を行うことで3度目の接触機会を作ることができます。
近年、WEBから注文などが行える商材も増えてきていることから、そのまま購買行動へ誘導することもできます。
もちろん、広告の目的によっては3回も行う必要がないケースや、逆に3回では足りない商材もあるため、3回が絶対というものではありません。
一般的に単価が高く購入頻度の少ない商材は広告頻度が高く、単価が低く購入頻度が高い商材は広告頻度が低くなるといった傾向もみられます。
しかしながら、記憶に残る広告を打つためには、人間の記憶のメカニズムから見ても反復することが効果的ですから、いくつかのテストマーケティングを行って最適な広告頻度を導き出すことが重要です。
よく目にしていて記憶に残っている広告は、反復効果による記憶の定着が大きく影響しています。
記憶に残る広告を実施する際は、スリーヒットセオリーのような身近な反復効果から試していくことが第一歩といえます。
最後に
スリーヒットセオリー について
1972年、ハーバード・E・クラグマン氏がゼネラル・エレクトリック社で勤務していた頃に発見した理論です。
ガリバーはDMの印刷・発送にとどまらず企画からお客様を全面サポートしています。
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