“Life is a series of choices.=人生は選択の連続である”
劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品『ハムレット』に出てくる言葉です。
人は日常のあらゆる場面で何かを選択しています。
今回はそんな、選択をする心理を利用した“決定回避の法則”をご紹介します。
決定回避の法則(ジャムの法則)とは?
“決定回避の法則”とは、選択肢が多くなるほど、その中から1つを選択することを避ける心理的作用のことを指します。
ジャムを使った市場実験を行ったことから“ジャムの法則”とも呼ばれています。
市場実験
【実験内容】
・スーパーマーケットにジャムの試食コーナーを設置します。
・試食コーナーで24種類のジャムを陳列した日と、6種類のジャムを陳列した日の2つの条件で購入率を調査します。【実験結果】
・24種類の時は通りかかった人の約60%が立ち止まりました。
・6種類の時は通りかかった人の約40%が立ち止まりました。
→24種類の時の方が集客力は上回りました。・24種類のジャムを置いたコーナーの試食から購入に至った人は約3%でした。
・6種類のジャムを置いたコーナーで試食から購入に至った人は約30%でした。
→6種類の時の方が購入した人の割合が上回りました。品揃えが少ない方が最終的に購入に至る割合が高いという結果になりました。
シーナ・アイエンガー著 「選択の科学」より
ここで疑問が1つ。
まず選択肢が多いほど集客が多くなる現象については、自由度の高さが可能性として挙げられます。
例えば、ビュッフェやバイキングのように種類豊富な光景をみた時、人は「好きなものを選べる!」と感じ、興味をそそられて集客に繋がると考えられます。
時間をかけて迷わせてはいけない
では、なぜ購入率は種類が少ない方が高いのか?
それは選択肢が増えるほど迷いが生じるため、時間をかけて選択をしない傾向になると言われているからです。
逆に選択肢を減らすことで、自分に合った商品をいち早く見つけることができ、選択する気持ちが起こります。
例えば居酒屋さんのランチ営業やラーメン屋さんなどはメニュー表や券売機に並ぶラインナップを絞っている店舗が多く見受けられます。
これは選択肢を意図的に絞り込むことで、注文までの時間を短くし、回転率を上げることを目的としています。
先程の市場実験では、商品点数を絞った陳列棚にすることで、時間をかけて迷うことなく商品を取捨選択をすることができ、手軽に商品を手にしやすい環境を提供できていたことが証明されています。
決定回避の法則を意識した効果的なDM
先程紹介した市場実験は店舗販売を舞台としていましたが、この法則はダイレクトメールでも活用することができ、ガリバーでもこの法則を意識したダイレクトメールの事例が多くあります。
例えば、通販系でこれまで年に1回、40ページの商品カタログと注文用紙をセットにしてPP封筒で発送していたものを、定番品と新商品に情報を絞ってB5サイズの4ページにまとめ、WEBで詳細・注文ができるようにQRコードで誘導する仕組みを採用いただいた事例があります。
ダイレクトメールは、受け取ってから次の行動(購入や来店)に移行させることを目的とするものが非常に多いです。
たくさんの商品が掲載されたダイレクトメールは確かに見ごたえがありますが、見ていく内に当初の目的が散漫となり購入の後回しなどの原因にも繋がると予想できます。
そのため、上記の事例ではダイレクトメール本来の目的を見失わないように、情報を手短にまとめ、レスポンスに素早く誘導することを優先して、仕様の改善を行いました。
同時に、情報を絞ることで開封や閲読の先送りを防ぐことも期待できます。
また、QRコードを使ってWEBへ誘導することで、ダイレクトメールには載せきれない情報をWEB上でカバーすることもできます。
無理にダイレクトメールだけで完結させようと情報を詰め込むのではなく、別媒体に移行させることがダイレクトメールの新しい形でもあります。
法則がかえって逆効果になるケース
今回の法則は、全ての販促で活かせるというわけではありません。
例えば、カタログを定期発送している場合、そのカタログを長期保存、いわゆるコレクションしているケースもあるでしょう。この場合、そのカタログを廃止してはファン層が減少する恐れがあります。
今回の“決定回避の法則”をダイレクトメールに活用する場合は、新商品や期間限定のセールの案内、定期購入が期待できる商材などに効果的です。
商材や訴求にもさまざまな種類があるので、ケースバイケースで仕様や掲載内容を工夫することが大切です。
これもまた広告手段における選択の一つとも言えます。
現状のダイレクトメールでお悩みの方や、紙面構成や仕様にお悩みの方。
ガリバーなら効果的なダイレクトメールの選択肢をご提案できます。
迷いのないダイレクトメール作成のお手伝いをさせていただけましたら幸いです。
最後に
決定回避の法則/ ジャムの法則 について
1995年にコロンビア大学に所属するシーナ・アイエンガー教授が発表した法則です。
著書「選択の科学」より
ガリバーはDMの印刷・発送にとどまらず企画からお客様を全面サポートしています。
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